いくつか

1.渋谷陽一氏、編集雑誌「SIGHT」今月号も必読。
巻頭で氏が書く
「戦後の日本は途上国が先進国になるためのシステム
であり先進国がより洗練された先進国になるシステム
ではない」という言、重要です。

2.TBS文化圏が抱える背景、鬱を抱える脱社会的な人には
 かなり有効なのでは?と最近本気で思ってます。
 昨日の「モテキではなぜサブカルを扱いながら映画という
 カルチャーが抜けるのか?映画(映画秘宝的な)素材が
 TBS文化圏(サブカル圏)では重要なのになぜそれが
 マス相手の娯楽になると抜けるのか?」、。
 これは重要かな、と。
 「なぜ進撃の巨人はありで悪魔のいけにえはなしなのか?」
 でもね、「悪魔のいけにえ」やゾンビやザボーガ−や井口昇だか    
らこそ鬱は救われるのだ、というね、趣味範囲として。
 で、そこにクラスタ化されない組織化された知性との
 親和性ね。ちなみに町山智浩氏の登場でハスミ的映画視線は 
 美術界における印象派になった、と思ってます。
 「当然、素晴らしいし価値はあるし、知っているけどね、
  あえて語る必要ねえだろ、すでに」というね。
 御大ハスミ先生は本質的にはより過激ですけど、。
 受容する側がね、特権化しちゃうからさ。
3.1.にかかる話として。先進国が洗練される、
 書くは易しいがどうする?と。 そこが文化の役割だと。
 動機付けですよ。アップルのジョブスに何があって
 日本の電力会社に何がないか?。
 分かりやすいですね、カルチャーです。
 動機であり必然である。 
 
4.そこでまあ発端としてのカルチャー「THE BEATLES」。
 つまり、この場合ジョンレノンですけどね。
 ジョンの強度をどう利用するのか?。
 それがジョブスの(氏の場合ディランも当然重要ですが)
 本質でもあります。
 より洗練された先進国となる動機。
 土建屋的発想で金銭をより弱者へ向けて己のサービスにしか
 利用出来ないという途上国が先進国に向かう過程でしかない
 動機ね。(金銭で弱者をサービスに利用する、
 ってつまりは性的な話しでもありますね。)
5.文化を抱える人たちは、自覚なくとも
 その構造の範疇に自分が存在している事からは
 もう逃れようがない、というか、以前からそうだったんですが
 その自明性は他者から透けてみえる時代になったというね。
 批評から逃げられないとはそういう事です。
6. という意味もあって、日経的な「大人のロック」
 のビートルズの扱いは心底最悪です。
 利用しようとしている自覚も彼らにはないと思うのですが
 またそこにも利用されるほどにビートルズは優秀なんですが
 (この優秀さは主にマッカートニ−が担っております)
 に、してもだ、。趣味としてのビートルズを前面化する事で
 ジョブス的に本質を受け継いで貫いていく社会を彼らは
 資本と既存の構造で潰しかねない、とさえ思います。
 「オヤジの慰みもの」という位置になっている事を自覚出来ず 
 ビートルズをそこで扱う事を公でやっている、
 別に週末のロック呑み屋でコピーバンドやっている分には
 当然誰も何も言いませんし僕も好きだから行っちゃいますけど 
 それと書店にあれを並べる事と支持する事は別次元です。
 色々な意味であれは最悪です、。
 本人達をちらりと色々な場で見たり遭遇したりしますが
 ビートルズの優秀さを何に使っているのか?
 というと彼らは「自分の優秀さを肯定するために」使って
 ますね。最低。
7.では逆にそれを今に生かすとは?それがつまり
 TBS文化圏であり町山氏の現在の仕事でありジョブスであり。
 湯浅誠氏であり当然根本敬氏であり、と。
 既得権益と崩壊した構造が個々の人々の生活圏を脅かす時に
 それを使わず趣味的に引用する、まあ、3/11以前ならね、
 まだしも、と。そういう事ですね。
8.つまり現在はそういう時期です。そしてまだまだ先は長いよ。
9.そういう意味でも雑誌「SIGHT」の渋谷氏のコミットメント
 は素晴らしいと思います。