正しい数の数え方。曲構成について。

   岸野雄一氏の音楽劇「正しい数の数え方」
   メディア芸術祭での公演が終了しました。
   岸野さん、お疲れさまです。
   5月に生演奏版の公演が予定されております。
   是非にと思います。
 
   この機にこの曲を作った時点で考えていたポイント
   を書いてみます。何かの参考になれば、と。    


      「正しい数の数え方」楽曲構造解説
    *Bパート、サビ2を効果的に聞かせる曲構成*
    

メロディパート  主な歌詞                役割
 Aパート   「ここに一つ、また一つ〜」        サビ1
 Bパート   「ワンツースリー ほら君だと増えてく」  サビ2
 Cパート   「散歩の時だけ曲がり角で僕の顔〜」    平歌
Dパート   「この星にふさわしい数の数え方はただ鳴き声」繋ぎ
 Eパート   「探そうよ、一緒に ロープ握り〜」     展開

          
        『メロディパート曲構成』
           イントロ〜
         (A〜B)(C〜D,C〜D)
         (A〜E)(C(間奏)〜D)
         (A〜B〜B)〜アウトロ
   (*イントロ〜アウトロは作編曲家の岡村みどりさん作成)

        『役割としての曲構成で書いてみる』
           イントロ〜
       (サビ1〜サビ2)(平歌×2)
      (サビ1〜展開)(平歌を間奏として変調)
        (サビ1〜サビ2×2)〜アウトロ
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          以上をふまえた上で

          『構成解説』
         安易な流れとして
       (A〜B) (C〜D,C〜D)(A~B)にした場合、
        曲がそこで完結してしまい展開しない。
        最もキャッチーなパートBを
     曲の最後にもってくるためにA-Eという変調パートを作り、
     間奏を挿み(A~B)の流れを最後に温存しました。
     これで(A~B)の流れは最初と最後に出てくるので 
         印象的になるだろうと。
  
     メロディが持っているパート的な意味、
     いかにそれを効果的に曲構成出来るか?
      毎回そこに最も気を使います。
  
       つまりEパートがあるというのがポイント。
    必要なパートと理解してそのパートを作るという
          「構造的意識」を
        曲作りでいつも心がけてます。

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     メロディパートを曲によって意思的に配置する、
     具体的にはメロディパートを思いつく限り
     入れ替え弾いてみて
     より効果的な構成を考える、
      この意識を自分なりに学んだのがつまり
    「ポール・マッカートニー由来の作曲意識」です。
 
         何かの参考になれば、と。
  
   *追記 1(イントロについて)
       岸野雄一氏が弾いたラインに
      岡村みどりさんがヴォイシングし完成いたしました。